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JABEE認定プログラムの導入について

機械工学科は本学の中でも長い歴史と伝統を持つ学科です。1949 年の学科設立以来、時代の要請に応じた技術者教育を行い、多数の卒業生を産業界に送り出してきました。そのような歴史ある伝統を継承する一方で、これからは国際社会での活躍も視野に入れた技術者教育に目を向け、教育プログラムの質的向上を絶え間なく進めていくことが必要です。そのためには、外部機関の実施する公正な評価基準を導入し、その結果を教育システムにフィードバックさせていくことが重要になります。
以上のような背景から、本学科では「総合機械工学コース」の教育プログラムを日本技術者教育認定機構(JABEE)の認定プログラムとして実施しています。

学習・教育到達目標について

機械工学科が定める「育成しようとする技術者像」では、四つの能力(機械工学者の役割を認識する能力・未知の課題に取り組む能力・他者と協力して物事を成し遂げる能力・工学的問題を解決する能力)の獲得を求めています。それらを学習・教育到達目標の大項目A〜D:

  1. 実社会の課題に対する機械工学者の役割を認識する能力を身に付ける
  2. 未知の課題に取り組む能力を身に付ける
  3. 他人と協力して物事を成し遂げる能力を身に付ける
  4. 理学・工学の知識を用いて工学的問題を解く能力を身に付ける

として整理し、各項目のもとに具体的な目標を設定しました。
これらの目標をすべて達成すると、JABEE認定プログラム(総合機械工学コース)を修了することができます。

総合機械工学コースへの進級について

■ 総合機械工学コースへの受け入れ方針
総合機械工学コースの学習・教育到達目標を達成するためには、入学時に数学・物理学・英語を柱とした基礎的な思考力と表現力を身に付けていること、社会への貢献を目指して機械工学を学ぶ意志を持ち合わせていることが必要です。そのために、アドミッション・ポリシーに則して入学試験を行い、基礎学力の達成度にも重点を置いて入学者選抜を実施しています。

■ 総合機械工学コースへの進級
入学後2年次までは、共通・教養科目、専門基礎科目を中心に全員同一カリキュラムのもとで学修を進めますが、3年次以降は「総合機械工学コース」「基盤機械工学コース」のどちらかに所属し、各コースの目的に沿って能力の向上を目指すこととなります。したがって本学科では2年次の3月に個別面談を行い、所属コースを決定しています(コース決定後の他プログラムへの移籍は、特別な事情を除いて認めていません)。また、「総合機械工学コース」には進級の基準となる条件が設定されており、コース決定の判断材料としています。

■ 編入学者への対応
本学科に編入学を希望する場合、合否判定は「芝浦工業大学編入学規程」に基づいて行われます。その際、編入学者の出身校のシラバスや教科書などを参照して、編入学者が編入学前の教育機関で取得した科目と、本学の開講科目との対応を調査します(※)。特に、入学後「総合機械工学コース」のプログラム履修を希望する場合は、上記の調査内容に基づき、さらに詳しく学習・教育到達目標との対応などを検証し、教育プログラムの同等性について確認を行います。その結果、「総合機械工学コース」での履修に支障をきたすようであれば、不足分の科目を再履修や個別指導によって補足します。

※編入学試験要項に、単位認定資料として下記の書類全てを提出することが義務づけられています。

  1. 最終学校の講義内容の説明書(シラバス、講義要目、講義要覧等)
  2. 上記説明書における取得科目部分のコピー
  3. 年間の授業日数または授業週のわかるもの(当該学校が作成したもの)
  4. 1週間の時間割表

教育プログラムの点検体制について

■教育プログラム点検・改善システム
学科内に下記の委員会を設置し、教育プログラムの点検と改善を実施しています。各委員会がP→D→C→Aのサイクルに従って活動を続けることにより、教育点検と教育改善が行われます。

  1. JABEE検討会議 [ Plan・Act ]
  2. 教育プログラム実施委員会[ Do ]
  3. FD・設備委員会[ Do ]
  4. 教育点検委員会[ Check ]
  5. 学科会議[ Plan・Check ]

これらの委員会はそれぞれ、

  • P:学習・教育目標の内容および水準の設定
  • D:学習・教育目標を達成するための教育手段やシラバスの検討および実施
  • C:教育プログラムの点検を目的とした各種アンケートや学習到達度調査の企画および実施
  • A:調査結果の分析に基づく教育改善策の提案および実施

を活動目的としています。各委員会は相互に連携しながら、上記の作業を中心として定期的に開催しています。下の図は、各委員会の関連について概略を示したものです。

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■機械工学科優秀教育推進賞
本学科では機械工学科教員顕彰制度規程に基づき、「機械工学科優秀教育推進賞」の授与を行っています。この制度は、「優れた内容の授業を行った教員を顕彰することにより、全教員の授業内容の向上を目指すこと」を目的とするものです。
このたび、FD・設備委員会において2014年度開講科目を対象に審議した結果、授業参観および授業アンケート等で高い評価を獲得された下記2名の先生を2014年度の機械工学科優秀教育推進賞受賞者として決定し、表彰しましたので、ここにお知らせいたします。

  • 「制御工学2」 内村 裕 先生(機械工学科教授)
  • 「確率統計」  石綿 元 先生(機械工学科非常勤講師)

■機械工学科の教育に関するアンケート調査
本学科では4年生と修士2年生に対して、学部4年間の教育に関するアンケート調査を実施しています。2014年度は2015年2月12日をアンケート回収日として調査を行い、2015年4月10日開催の「第78回教育点検委員会」での検討を経て、アンケート結果を集計しました。