機械工学科の教育プログラム
本学科では、機械工学の基盤となる専門知識体系を
- 材料
- 流体
- 熱・エネルギー
- 振動・制御
- 設計・加工
- 応用領域
の6系列に大別しています。これら主要6系列を基本的な枠組みとして、2004年度に「総合機械工学コース」と「基盤機械工学コース」の2コースを新設しました。このうち「総合機械工学コース」の教育プログラムが、JABEE認定プログラムに対応しています。
総合機械工学コース(JABEE認定プログラム,2018年度入学生対象)
「総合機械工学コース」の目的は、各系相互の関連まで理解し、文字通り「総合的」に機械工学の体系を把握することにあります。したがって本コースでは、専門基礎科目の学習が必修であることに加え、系ごとに配置された専門科目群をまんべんなく学習することが要求されます。特に、メカトロニクスや航空宇宙工学などの応用科目によって、各系の基盤知識を有機的に結びつける能力を磨くことは、「総合的な」理解力向上の手助けとなります。そして最終的には、個々に学習した基礎知識が「総合的な」デザイン能力に昇華され、実社会での課題解決に展開できる実践力として開花することを、本コースでは目指しています。
■ 学修・教育到達目標
【A】実社会の課題に対する機械工学者の役割を認識する能力を身に付ける。
A-1
文化・芸術・歴史・国民性などに基づいた大局的な視野に立って、機械工学と社会の関わりやエネルギー・環境問題を考察することができる。
A-2
技術の発達が自然・生命・社会にもたらしてきた問題を理解し、機械工学者として倫理的な視点を踏まえた行動をとることができる。
【B】未知の課題に取り組む能力を身に付ける。
B-1
材料、流体、熱・エネルギー、振動・制御、設計・加工、応用領域の6分野を柱とした専門基礎知識を互いに関連づけて、技術的・社会的要求を解決するための具体的なプロセスを発案し、与えられた条件の下で計画を遂行することができる。
B-2
実社会における機械工学の役割を、応用領域の技術と関連づけて認識することができる。
B-3
技術的課題に対して自ら積極的に追及しようとする探求心を持ち、様々な学習環境を活用して継続的に自己学習することができる。
【C】他人と協力して物事を成し遂げる能力を身に付ける。
C-1
機械工学に関する専門技術やその有用性等の議論において、他者の意見を理解し、自分の考えを伝えることができる。
C-2
英語の基礎的なコミュニケーションスキルを活用して、情報交換を行なうことができる。
C-3
機械工学の専門知識を必要とする協同作業において,自己の立場と責任を考えた行動をとり、他者と協調して目標を実現することができる。
【D】理学・工学の知識を用いて、工学的問題を解く能力を身に付ける。
D-1
基本的な物理現象を自然科学の原理から数学的に導くことができ、機械の設計や性能評価に必要な技術計算ならびに統計処理を正確に行うことができる。
D-2
機械の運動機構や動特性、構造や強度,物質・運動量・エネルギーの流れなど、機械工学の基盤技術に関わる物理現象を自然科学の法則に基づいて理解し、現象の予測や解析を行うことができる。
D-3
機械を製作し運用するために必要な工学特有の手法(計測、制御、設計、加工、ICTなど)に習熟し、それらを問題の状況に応じて適切に使うことができる。
基盤機械工学コース
「基盤機械工学コース」では、専門基礎科目の学習からスタートし,現代機械工学の基盤知識に精通することを必須目的としています。工学が自然科学を根幹として構築されていることを十分に認識することは、機械技術の本質を理解するために不可欠です。その上で、各自が関心を持った系列の専門分野に特化して、これを深く追究するような学習計画を立てることが本コースでは可能です。